雌伏で進化。組織は融通無碍のハイブリッド化、手口も病院乗っ取りなど高度化した。
2012年10月号 DEEP
7月上旬、東京地裁の令状請求室で、警視庁捜査員はブリーフケースから逮捕状を取りだし、裁判官に手渡した。被疑者は指定暴力団の幹部だった。稲川会ナンバー2で理事長だが、実質的に稲川会の若頭とされていて「経済ヤクザ」の異名をとる内堀和雄(59)である。「クレジットカード詐欺の稼ぎを配下の組員に命じて上納させた」(組織犯罪処罰法違反)という容疑だ。内堀は稲川会で経済案件を一手に仕切っているから、警視庁は「早く身柄を押さえたい」(組織犯罪対策部幹部)と懸命に追っている。が、依然その行方が知れない。「内堀は山口組幹部と兄弟盃を交わしていて、山口組と稲川会のパイプ役なんだ。たかがカード詐欺と侮るなかれ。風俗店での利用を他の店舗名目に付け替え、プラス分を抜き取る。組織犯罪でかなりシステマティックにやっている。警察も事件を単なる詐欺で終わらせず、その先の大物 ………
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