国民新党の世紀の失政。円滑化法で溜めた不良債権の山に、国公認の「飛ばしファンド」で塩漬けか。
2012年10月号 BUSINESS
まだ残暑が続いていた8月の福岡。ある地方銀行の幹部と九州財務局の幹部が会っていた。「豊和、宮崎太陽、南日本が近く設立する再生ファンドは、金融庁の肝いりと言われています。ポスト金融円滑化法をにらんだ対応策なのでしょうか」「詳細は詰まっていない。御行も設立準備はしておいたほうがいいが、魔法の杖だとは思わないほうがいい」金融庁はポスト金融円滑化法の対応策でまだ迷っているようだと、金融界は感じている。金融円滑化法は、民主党と連立政権を組んだ国民新党代表だった亀井静香金融担当相(当時)のゴリ押しで2009年末に施行され、二度の延長の末、来年3月にいよいよ廃止されようとしている。貸出条件の一時緩和で企業再生をめざした同法が3年4カ月でもたらしたものは、またも日本に重くのしかかる不良債権の巨大な山だった。
適用された案件数は全国で約300万件に上る。同法による ………
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