「原作を変えるな!」。日本文化への誤解を訂正する岡村喬生氏の試みにプッチーニの孫が反論。議論は平行線のまま。
2012年11月号 LIFE
ジャコモ・プッチーニの名作オペラとして知られる『蝶々夫人』で描かれた日本文化への誤解に対して、オペラ歌手で演出家の岡村喬生氏が台詞やト書きを部分修正した「完全改訂版」によってイタリア現地で上演しようという試みを、さきに紹介した(本誌本年7月号)。これに対し、プッチーニの孫で著作者人格権継承者のシモネッタ・プッチーニ女史から『蝶々夫人』の原作の正統性を改めて主張する意見がこのほど編集部に寄せられた。ここでその言い分を紹介するとともに、改めて岡村喬生氏へのインタビューを通して、名作オペラの異文化への誤解とその「文化摩擦」を浮き彫りにしたい。
〈ジャコモ・プッチーニ研究の専門家であるミシェル・ビアンキ博士と協議した結果、私は祖父ジャコモ・プッチーニの作品の著作者人格権の継承者として、『蝶々夫人』の《完全改訂版》を作成する意図について同意しかね ………
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