改造内閣のアキレス腱は文科相や法務相の醜態ではない。財務省に「秘策」はなく、11月に国庫が底をつく。
2012年11月号 POLITICS [財務省も匙投げる]
財務省の各室にずらりと並ぶ局長級以上の在室を知らせるランプがある。8月に前事務次官の勝栄二郎が消費増税法の成立を花道に勇退。その後、勝を継ぐ政界工作の要として官房長に留任した香川俊介は体調を崩してランプが消えがちな日々が続いた。影の司令塔を失った途端、首相の野田佳彦は後で政調会長に据えざるを得なくなる細野豪志の民主党代表選出馬に怯えて、幹事長の輿石東に続投支持を懇願。細野を降ろし、再選のお墨付きを得る代わりに衆院解散権も閣僚の人事権も明け渡してしまった。事務次官を女子トイレに連行した文部科学相の田中真紀子。俗に言う「身体検査」素通りの民主党のお粗末さを露呈した法相の田中慶秋――。もう論じるのはよそう。野田と輿石の談合で成立した野田第3次改造内閣の本当のアキレス腱は、そこではない。怖いのは市場による「死刑宣告」なのだ。時限爆弾のその一は「言う ………
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