権力闘争に明け暮れ、改革に手をこまぬいた不作為の年月。「負の遺産」の重みに、習近平は耐えられるか。
2012年12月号 GLOBAL [習政権に負の遺産]
この記事が本誌に掲載されるころには、すでに習近平(シージンピン)国家副主席をトップに戴く中国共産党の新指導部が誕生しているはずだ。世界最大の人口と第2位の経済規模を擁する巨大国家の船長として、習はどんな舵取りを見せるのか。そもそも、習はどのような思想の持ち主なのか。現時点ではまったくと言っていいほど未知数である。しかし間違いなく言えるのは、習の新政権は船出から途方もない重荷を抱え、荒れ模様の天候の中を進まなければならないことだ。途方もない重荷とは、前任者の胡錦涛(フーチンタオ)国家主席が累積させた「負の遺産」。荒れ模様の天候とは、経済、内政、外交のあらゆる面で中国を取り巻く環境が急速に悪化している現実である。
11月8日に開幕した共産党第18回全国代表大会(18大)の初日、胡は党総書記として最後の活動報告に臨んだ。2003年に自ら提唱した「科学的 ………
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