かつて「一勧のゴミ溜め」と呼ばれた札付きオーナー会社に福井銀行が引導。不正会計と情実融資で真っ黒。
2012年12月号 BUSINESS
小野グループの金庫番で公認会計士の資格も持つ松田文彦秘書役が福井銀行本店を突然訪問してきたのは10月2日のことだ。その場で告白された事実は衝撃的だった。「過去10年、粉飾した決算書を提出していました」――。実は1週間ほど前からグループを巡る異変は始まっていた。代表の小野光太郎氏が福井市内に建てた豪邸に、北陸銀行が極度額3億円の根抵当権をひそかに設定していたのだ。唸るほどあるとされた預金も幻だった。グループは元利返済をストップしなければ、資金ショートすることが確実という。
10日後、こんどは光太郎氏の長男でグループ副代表を務める稔氏が東京の弁護士を連れてやってきた。持ち出したのは事業再生ADRの活用。さらに4日後にはバンクミーティングを開きたいとのメールが送られてきた。福井銀はこの虫のいい話を拒否し、会社更生手続きをとるよう要請する。が、グループは動く ………
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