2013年1月号 連載 [いまここにある毒]
たまさか銀座を歩いていて、思わず目が吸い寄せられた。中世の騎士の鎧のようなトゲトゲの銀色のハイヒール。きらっと光って、つんのめりそうに高い足裏の真紅が躍っていた。ああ、クリスチャン・ルブタン。さながら足裏の口紅。足フェチでなくても一瞬、踏みつけられたくなる妖しさだ。マドンナ、アギレラ、レディー・ガガが愛用するパリのブランドだが、「コロンブスの卵」の赤い靴底は商標登録され、盗用すれば訴訟になるとか。「モードとは女を使った死の挑発であり、忘れえぬかん高い笑いのはざまで、苦々しくひそひそ声で交わされる腐敗との対話にほかならない」(ヴァルター・ベンヤミン『パサージュ』)最多の1504人が立候補し、主要政党12党がひしめく総選挙も、モードと同じく「政治の死」と背中合わせ。第三極は割れて「未来」は小沢に未来がなく、「維新」は石原・橋下の折衷、「みんな」は ………
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