2013年1月号 BUSINESS
弱肉強食の資本主義社会において、「対等合併」という言葉には美しい響きがある。しかし、それはどこにも存在しない、一種のユートピア。年明け1月1日に東京証券取引所グループと経営統合し、持ち株会社日本証券取引所グループ(JPX)の傘下に入る大阪証券取引所の職員も、「対等」に騙されていたことに気づいたようだ。12年11月の統合発表以来、斉藤惇東証社長、米田道生大証社長は「対等の精神」を繰り返してきた。確かに、JPXの取締役(社外取締役含む)は東証側7人、大証側6人。また、運営の責任者である執行役も東証5人、大証4人で拮抗する。代表権も斉藤グループCEO、米田グループCOOの両者にあり、大証は統合比率(1.7対1)以上の力を持つように見える。ところが、将来の役員候補となるJPXの八つの部長級ポストでは、人事部長を除き全て東証が奪取した。マスコミの関心が高い役員ポストで東証は ………
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