団派完敗の新政権人事では、胡錦涛の大番頭のスキャンダルで漁夫の利を得た。
2013年2月号 GLOBAL
2012年11月15日に発足した中国共産党の新指導部。事実上の最高意思決定機関である中央政治局常務委員会の顔ぶれは、習近平(シージンピン)総書記を筆頭に7人中6人までもが江沢民(チヤンツーミン)元総書記に近い人物で占められた。胡錦涛(フーチンタオ)前総書記が率いる共産主義青年団派(団派)は李克強(リークーチアン)ただ一人。団派のホープである李源潮(リーユエンチヤオ)前中央組織部長と汪洋(ワンヤン)前広東省党委員会書記は落選した。中央常務委の人選は揉めに揉め、最後は江、胡、習という三代の総書記が膝詰めで協議して決めたという。「団派の完敗」と映る人事を、胡はなぜ呑んだのか。一方的な妥協の背景には、その8カ月前に起きた不慮の交通事故があった。12年3月18日午前4時、北京の第四環状道路を猛スピードで疾走していた黒い高級スポーツカー、フェラーリ458がハンドル操作 ………
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