中東からのアクセスに、ミャンマールートを塞がれパキスタンを「買収」。新グレートゲームが始まった。
2013年4月号 GLOBAL [カラコルム・ハイウエーとグワダル港]
あれは2011年8月13日、土曜だった。中国駐在のパキスタン大使、マスード・カーンが北京で筆者を含む一部ジャーナリストに会い、こう囁いた。「パキスタン政府はね、中国に南海への通路としてグワダル港……中東やインド洋経済圏へのゲートウエーを与えようかと考えているんだ」。面白いことに当時、大使の言葉を誰も本気にしなかった。それから1年半後の今年2月18日月曜。中国が凱歌をあげる日を迎えた。パキスタンの戦略要衝であり、中東からの原油輸送ルートであるホルムズ海峡へ抜けられるグワダル港を掌握したのだ。この日、イスラマバードの大統領府で行われた式典に、大統領アシフ・アリ・ザルダリも出て、深海港グワダルの運営権を中国に委ねると記した文書に調印した。大統領は調印式後、グワダルが「低迷するパキスタン経済に新しい血をそそぐ貿易商業の中心」に早くなるよう期待していると述べ ………
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