中国に受け身「安倍外交」

安倍政権は最大の懸案である中国に手も足も出ない。逆に習政権を正式発足させた中国側が俄然攻勢に出始めた。

2013年4月号 POLITICS [稚拙で未熟なニッポン]

  • はてなブックマークに追加

日中の軍事衝突も懸念される尖閣諸島問題。多くの日本人は、欧米先進国が中国の挑発に眉をひそめ、日本に同情的なはずと期待しているが、実情はそうではない。英エコノミスト誌は昨年9月の尖閣国有化後、「日中は本当に<これ>のために戦争するのか?」と、合計7平方キロメートルの岩礁の写真を大きく掲載した。日本政府が「日米同盟の絆を再構築した。大成功」と自画自賛する2月下旬の日米首脳会談については、「米国はシンゾー・アベに感銘を受けたのか、それとも苛立っているのか?」と論評した。中国も問題だが日本の稚拙・未熟にも呆れるという冷笑的な見方だ。安倍首相とオバマ大統領の首脳会談後、マスコミの同行記者たちは外務省の記者説明から1時間後には現地を出発するよう急(せ)き立てられ、「ぎりぎりの応酬で、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉参加に向けて異例の共同声明を勝 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。