バブル崩壊で調達不安が消え、企業は再び中国シフト。経産省の脱中国戦略は風前の灯だ。
2013年4月号 BUSINESS
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とはこのことか。2010年9月、尖閣諸島沖で起きた“漁船衝突事件”の報復措置として中国がレアアースの対日輸出を一時停止し、日本の産業界がパニックに陥ったのは記憶に新しい。その後、日本はレアアースの「脱中国」を図るべく、使用量の削減や代替技術の開発、調達先の多様化などに官民挙げて邁進してきた……はずだった。ところが、である。中国からのレアアース輸入の減少は12年初めを底に打ち、年末にかけて再び増加に転じていたことが貿易統計からわかった(グラフⅠ参照)。12年1~3月の中国からの輸入量は1481トンにとどまり、輸入全体に占める中国の比率は48%と半分を切っていたが、同年10~12月の輸入量は2994トンに倍増、中国比率は63%に上昇したのだ。
背景はレアアース・バブルの崩壊だ。例えば高性能磁石の原料として欠かせないネオジムとジスプロシウムは、 ………
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