日米経済の回復に比べ、欧州だけ置いてけぼり。緊縮というドイツの「拘束衣」を着ても、ちっとも経済が浮上しない。
2013年4月号 BUSINESS [ドイツ式緊縮に逆らって]
「豚」の次は「魚」――フルコースのメニューではない。政府債務問題に苦しむ欧州5カ国(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)の頭文字をとってPIIGSと名付けた市場スズメたちが、今度は問題国の焦点を「FISH」に当て始めた。イタリアのI、スペインのSはもうお馴染みだが、欧州の中核国であるフランスのF、そこにケチで有名だったオランダのHまで仲間に加わったのだ。マリオ・ドラギ総裁率いる欧州中央銀行(ECB)による銀行と問題国への支援で、何とか一息ついたかにみえるユーロ圏諸国を蝕(むしば)むのは、緊縮財政という軛(くびき)である。ユーロ圏の仕切り役ドイツが他の加盟国に緊縮財政という“拘束衣”の着用を求める限り、欧州はデフレのフロントランナーだった「白川日銀」の道に迷い込みかねない。まずはI。コメディアンの話から始めよう。古代ローマ人を思わせるもじゃ ………
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