「国土強靭化」を名目に、公共事業拡大へ突き進む安倍政権。異能官僚がタクトを振る。
2013年6月号 POLITICS
東日本大震災から2年余り。首都直下型や南海トラフの大地震も近いとされる中、災害に強い国土づくりを意味する「国土強靭化」は参院選を控えた安倍晋三政権の看板政策の一つに躍り出ている。「命を守るための『国土強靭化』が焦眉(しようび)の急です」。安倍首相は今年2月の施政方針演説でこう強調してみせた。政府・与党の仕込みは着々と進んでいる。自民・公明両党は今通常国会にインフラ整備基本計画の策定などを柱とする基本法案を提出し、成立は確実な情勢。政府では内閣官房に国土強靭化推進室を設置。官邸主導で2014年度予算案に関連施策を盛り込むべく作業を加速中だ。
“災害列島ニッポン”だけに、政府・与党が防災や減災に注力するのは当然ではあるが、額面通りに受け取るのは、よほどのお人よしというもの。自民のベテラン議員は「今夏の参院選に向け、公共事業拡大を餌にゼネコン、建設 ………
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