大阪地盤沈下の元凶「市議会エゴ」

橋下市長の悲願「水道統合」が議会の抵抗で頓挫寸前。地下鉄やバスの民営化もズルズル後退。

2013年6月号 POLITICS

  • はてなブックマークに追加

大阪市水道局と大阪府内42市町村で構成する大阪広域水道企業団の統合が、大阪市議会の抵抗で頓挫しかけている。橋下徹市長にとっては大阪府知事時代からの悲願で、実現すれば東京のような「府域一水道」が一歩近づく。過剰な設備を抱えて非効率になっている公営の水道事業を再編すれば、料金の値下げが期待できるなど大阪府民にとってのメリットは大きい。

優良企業の「大阪市水道局」

はじめに国内の水道事業についておさらいしておく。水道法6条は「水道事業は、原則として市町村が経営する」と定めている。だから全国には2100を超す水道事業者がいる。大阪府下でもすべての市町村に水道部や水道局がある。末端給水と呼ばれ「小売り」をしている。自治体数より少し多いのは、合併市町村で料金格差の問題などから水道事業が統合されていなかったり、卸しに当たる用水供給を手掛ける一部事務組合(企業団)が存在していたりするこ ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。