2013年6月号 BUSINESS [全員辞任]
東京電力の下河邉和彦会長は4月26日、社外取締役全員を引き連れ官邸を訪れ、安倍晋三首相と面談した。首相は下河邉会長らの労をねぎらい「東電が直面している課題や福島の復興再生のために、国も一歩前に出たい」と表明したという。しかし、前向きな発言とは裏腹に、会談はわずか12分あまり。そもそも「会談は東電側の強い要望」(政府関係者)で開かれた。首相にとって7月の参院選こそが最重要課題。「総理が東電問題に深入りするのは禁物との判断だった」(経産省関係者)東電は、政府の原子力損害賠償支援機構による資金支援を受けているが、その経営は綱渡り。機構の支援枠は5兆円あるものの、東電の賠償金支払いを一時的に肩代わりするだけ。そこには10兆円を超えるとされる廃炉や除染費用は含まれていない。昨年11月には、下河邉会長と社外取全員が「総合特別事業計画の前提条件が崩れてきた」と ………
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