イスラエルが中東4国と「反イラン協定」

ミサイル防衛で協力しようと、モサド長官が自らサウジ、トルコ、ヨルダン、UAEに行脚して隠密交渉した。

2013年7月号 GLOBAL

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4月某日の夕暮れ、穏やかな地中海——小規模ながら強力なイスラエル海軍のドルフィン級潜水艦が、シリア沖3キロ付近を潜航していた。艦長が潜望鏡を海面の上に出せと命じた。接眼レンズを覗きこんだのは、屈強な体躯だが60歳がらみの白髪混じりの男だった。この潜水艦では最年長だろう。彼こそ諜報機関モサドの長官、タミル・パルドであった。パルドは、空中を飛行する昆虫サイズの小型カメラなどのスパイ道具を駆使した情報収集や、衛星による通信傍受などの電子諜報分野でのしあがってきた人物だ。近隣諸国の言語にも通じている。また、落下傘部隊の有資格者であることや、1976年のハイジャック事件ではウガンダのエンテベ空港で奇襲作戦を敢行、多数のユダヤ人を救出した活躍ぶりから、モサドの偵察部門ケシェト(Keshet)では「アクションマン」として知られる。

見返りにトルコ領空通過

ベンヤミン・ネタニヤフ首相が、パ ………

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