「アンジーの黒船」遺伝子検査が急増

米国では乳がん遺伝子検査が年12万件。日本の医療機関もようやく重い腰を上げ始めた。

2013年7月号 LIFE

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がんを防ぐため、乳房を切り取る。乳がんのリスクを高める遺伝子変異を持つ米女優アンジェリーナ・ジョリーの決断は、驚きと好意を持って受け止められた。遺伝子検査を受けたいとの問い合わせが日本でも急増。予防切除手術を導入する病院が相次いでいる。1980年代に解析技術が進んで以降、疾患の原因遺伝子が次々に発見された。発症予防策が見いだされたものもある。遺伝子疾患をタブー視する日本は、成果を十分に生かしてこなかったが、アンジーという黒船の登場で「ゲノム鎖国」の開国に向けた動きが出始めた。

遺伝性乳がん検査は20万円

アンジーには、腫瘍化を抑える「BRCA1」遺伝子の変異がある。欧米のデータでは、同様の働きを持つBRCA2も合わせて、変異がある人が乳がんを発症する確率は45~84%。一般の日本女性では約5%だから、最大で17倍近い数字だ。卵巣がんのリスクも上昇。男性の場合、前立腺がんや男性乳がんの ………

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