改革も反腐敗も掛け声倒れ。「9号文件」「七不講」で批判を封じ込めるが、力不足は隠せず。
2013年7月号 GLOBAL
最高指導者就任から8カ月。習近平(シージンピン)(共産党総書記)の「左旋回」が鮮明になってきた。5月以降、中国の政治体制改革を訴える「右派」の言論に圧力がかかり、メディアやインターネットの検閲も強化されているのだ。発端は、党中央弁公庁が5月初旬に通達した秘密指令である。同庁が今年9番目に発した重要文書であることから「9号文件」と呼ばれるそれは、「誤った世論が拡散するルートを与えてはならない」「イデオロギーの陣地を堅守し、一歩も退いてはならない」などと強調。思想統制の徹底を指示した。これを受け、ネット上では政治体制改革を論じる記事や書き込みが次々に削除された。中央弁公庁は党中央委員会直属の事務局である。その指令は党トップの習の意思であると同時に、最高意思決定機関である中央政治局常務委員会の総意を意味する。9号文件は各レベルの党幹部を招集して口頭 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。