牙なし特捜「贈収賄立件不能」の証明

これが検察改革の帰結。東京の中学校新築汚職も、自白を否認されるや腰砕けに。

2013年8月号 DEEP

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贈賄側、収賄側ともに自白しているのに、起訴できないなんて前代未聞。これが特捜改革の影響なら、贈収賄事件なんて、永久に立件できない――。こんな怒りとも、諦めともつかない声が、検察・警察の捜査関係者はもちろん、取材する社会部記者を含めた全ての司法関係者からあがっている。東京都北区の中学校新築工事をめぐる汚職事件は、それほど衝撃的だった。事件構図はシンプルである。北区の建設会社・新英興業の専務が、2011年5月に北区が発注した中学校新築工事で、非公表となっている入札予定価格の情報を取ろうと、北区営繕課の技術管理担当だった主任主事に接近して情報を入手、新英興業を中心とする共同事業体が落札したというもの。落札価格は約26億6千万円で落札率は約98%。確かに情報漏洩を疑える。主任主事が専務から賄賂を受け取ったのは同年9月で、場所は新英興業が手がけていた区内の建 ………

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