オーラ失う「優等生トルコ」

イスラム化政策への国内の不満だけではない。ゴリ押し外交で米欧からも「厄介者」扱いされ始めた。

2013年8月号 GLOBAL [強権エルドアンの躓き]

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5月31日にイスタンブール中心部で暴動が発生して以来、これまで政治的な安定と高い成長力が評価されてきた「優等生国家」トルコは、そのイメージが著しく損なわれた。シリアやパレスチナなど中東の紛争を仲介する能力も疑問視され始めたほか、レジェップ・エルドアン首相のカリスマ性も色あせ、今後も長期にわたって国家を率いていけるか否か、疑問が広がっている。イスタンブールなどトルコ各市に広がった抗議行動は、そもそもはイスタンブール都心のタクスィム広場に隣接するゲジ公園で古木を切ってショッピングセンターを建てることへの座り込みがきっかけ。それがたちまち激しい反政府デモにすり替わったのは、この再開発計画への反対ばかりでなく、以前よりも独裁的になったといわれるエルドアン首相の強引な政治手法に市民の不満が高じていたことを示している。暴動発生の数日前、アルコール販売 ………

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