2013年8月号 BUSINESS
関西の老舗ゼネコンの中で「明日をも知れぬ……」と囁かれた鴻池組(非上場)は、2008年に14人抜きで蔦田守弘社長が就いて以降、創業家の影響力を排除し、メーンバンクである三井住友銀行(SMBC)との関係改善を図ったため、ひとまず危機を脱したとみられる。むしろ、最近、取引先が不安がるのは淺沼組と錢高組の前途だ。淺沼組は明治25年に奈良県大和郡山市で産声を上げた老舗ゼネコン。淺沼健一社長(62)は08年から全国建設業協会の会長職を務め、「本業そっちのけで業界活動にのめり込み、勲章欲しさに会社経営を傾かせる、気位の高いオーナーにありがちなパターンに嵌(はま)っている」(地元の金融機関)と揶揄される。東日本大震災後の資材調達難と労務費高騰により12年3月期は2度にわたる業績予想の下方修正を行い、85億円の赤字決算に陥った。12年9月に赤字工事のウミ出しは終わったとして、主 ………
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