精神疾患の分類が1.5倍に拡大。大日本住友製薬と大塚製薬が「CNS」レースで存在感。
2013年10月号 LIFE
精神領域の新薬市場で大きな地殻変動が起きている。世界の精神疾患に影響を持つ米国精神医学会から出される「DSM–5」と呼ばれる疾患分類が5月、19年ぶりに改訂されたのもそのひとつだ。DSM–5は複雑な精神疾患を体系的に診断可能とした点で世界の精神医療に革新的な影響を及ぼしており、今や米国だけではなく、世界中の医師が使うようになっている。そのDSM–5が、今回の改訂で精神疾患の分類を約350から約500に拡大したから業界は大騒ぎになった。「軽度認知症」「月経前不快症候群」「混合性不安うつ病」「むちゃ食い障害」などの新たな疾患が登場したのだ。当然、製薬業界にとっては、薬剤投与の対象が広がることを意味する。それだけに、米国ではDSM–5の病気の定義変更を巡って、医学界を巻き込む大論争になった。DSM–5では、大うつ病性障害の診断に新たに「死別も含める」という変更があったが、従来 ………
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