収賄が3億円余の薄熙来は、意外にクリーン? 判決文の細部に浮かぶ党と軍のより深い暗部。
2013年11月号 GLOBAL
9月22日、山東省済南市中級人民法院(地裁に相当)は薄熙来(ボーシーライ)に無期懲役を言い渡した。中国共産党にとって過去30年で最大のスキャンダルとされる「薄熙来事件」に幕が引かれた瞬間だ。山東省高級人民法院(高裁に相当)は薄の上訴を受理したが(編集部注=中国は二審制)、失脚した党幹部の裁判は政治的な見せ物。判決が覆ることはあり得ない。無期懲役という量刑は予想より重いとの見方もある。だが、死刑でない限り、さしたる違いではない。むしろ筆者が興味を引かれたのは、裁判の過程で断片的に明らかにされた事件のディテールだった。公表された判決文によれば、薄の罪状は総額約2045万元(約3億2700万円)の収賄、大連市政府の公金約5百万元(約8千万円)の横領、妻の谷開来(グーカイライ)による英国人ビジネスマン毒殺事件に関わる職権濫用の三つ。うち収賄については、フランス ………
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