高コスト国家ドイツを鍛え直し、自己のビジョンを信じて、改革を断行したシュレーダーの素顔。
2013年11月号 POLITICS [シュレーダー改革 第二弾]
1998年から2005年までドイツ連邦政府の首相だったゲアハルト・シュレーダー(69)は、特筆すべき政治家である。その理由は、構造改革プログラム「アゲンダ2010」を実行し、「欧州の病人」と呼ばれていた国を、「欧州の優等生」として甦らせたからである。彼は失業保険、公的年金、公的健保制度のサービスを減らして国民の自己負担を増やすとともに、派遣労働、小企業での解雇についての規制を次々に緩和するなど、ドイツで19世紀に社会保障制度が導入されてから、最大規模の改革を行った。シュレーダー改革は、今日産業界や経済学者から「ユーロ危機にもかかわらず、ドイツ経済が好調である理由の一つ」として絶賛されている。しかし首相在任中、シュレーダーは「社会的弱者の側に立つという社会民主党(SPD)の伝統から逸脱した」として、党内左派や市民の反発を招き、05年に任期半ばで首相を辞任した ………
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