リニア新幹線の独断と不採算

危惧する声を封じ込めて突進中だが、足元から「ペイしない」と仰天発言。結局は国費ツケ回しになるのか。

2013年12月号 COVER STORY [JR東海が「政商」化]

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夢には夢のまま眠らせてしまった方がいいものがある。実現性や合理性に乏しいまやかしの夢は、時に国民的災厄となりかねないからだ。東海旅客鉄道(JR東海)が来年度にも本格着工するリニア中央新幹線がまさにそれである。時速500キロで東京-名古屋間を40分、東京―大阪間を67分で結び、建設費はJR東海が自前負担。先行開業の東京-名古屋間で5兆4千億円、東京-大阪間で9兆300億円を投じるという、民間企業では世界に例を見ない規模だ。世界で唯一の超電導リニア方式を採用し、将来は海外展開も――と夢はどこまでも広がる。だが、果たして本当にバラ色の未来が開けるのか。鉄道関係者たちがぎょっとした。JR東海の山田佳臣社長が9月、「リニアは絶対にペイしない」と発言、翌月には「リニアだけでは採算はとれない。新幹線と一体運用をして会社をパンクさせずにやっていく」と繰り返したのだ。“パンク” ………

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