「政左経右」習近平のジレンマ

三中全会“サプライズ”で大胆な改革が示されたが「政治は左、経済は右」のどっちつかず。成果は期待薄だ。

2014年1月号 GLOBAL [三中全会の改革本気度]

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2013年11月9日から12日まで開催された中国共産党の三中全会(中央委員会第三回全体会議)。同年3月に正式発足した習近平(シージンピン)(国家主席兼党総書記)政権の具体的な政策方針が示される初の重要会議とあって、世界のチャイナ・ウォッチャーや市場関係者が注目した。中国の経済成長と社会秩序の安定を維持すべく、新政権がどこまで改革に踏み込むかが焦点だった。そんななか、12日午後に発表されたコミュニケは失望を誘った。「改革の全面深化」を謳いながら総花的かつ方向感が乏しく、ウォッチャーの多くが改革後退のシグナルと受け止めたのだ。これに敏感に反応したのが株式市場。翌13日の上海総合指数は一時2%急落し、外国人投資家が取引できる香港市場の中国企業株(H株)指数は3%近く値を下げた。

「改革司令塔」は劉鶴か李克強か

ところがサプライズが起きた。11月15日夕刻、三中全会で採択された決議の全文が突如発 ………

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