綱渡りの地主に匙投げた防衛省。FCLPに鹿児島県下の別の2島が急浮上している。
2014年1月号 POLITICS
「もう、あの島は諦めるしかないのかもしれない。これ以上交渉しても、時間を浪費するばかりだ」。ある防衛省幹部の表情は冴えない。嘆息混じりに漏らす「あの島」とは、鹿児島県種子島沖の馬毛島のことだ。1980年代に平和相互銀行のスキャンダルの舞台となって以来、この島をめぐって30年近く所有者と国が攻防を繰り広げている。何度もメディアで報じられたが、防衛省のみならず、首相官邸まで神経を尖らせているのは、この島が日米間で長らく政治問題となっているFCLP(空母艦載機離着陸訓練)の有力候補地だからだ。
日米間の政治問題の「一丁目一番地」が米軍普天間基地の辺野古移転だとすれば、「一丁目二番地」はFCLPの候補地問題なのだ。しかも、来春に予定されるバラク・オバマ米大統領の来日までにある程度のロードマップを示さねばならない。すでに先の日米首脳会談でオバマ大統領から、FCL ………
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