失敗続きのM&A、お先真っ暗の新薬開発。異例の外国人社長のスカウトは「失政」の目くらましではないか。
2014年2月号 BUSINESS
昨年11月30日、武田薬品工業の長谷川閑史社長(67)は、英グラクソ・スミスクライン(GSK)のワクチン・バイオ事業トップのクリストフ・ウェバー氏(47)を、後継社長に指名した。長谷川氏は社長在位10年余。かつて武田は2兆円ものフリーキャッシュを誇ったが、長谷川氏が手がけた2度の1兆円規模の買収により借金会社に転落、世界規模のリストラに追い込まれた。明日の礎を築くことに失敗した長谷川氏が、なぜ、無名の外国人を社長にスカウトしたのか、謎である。「国内製薬のトップ企業である武田は人材の宝庫。長谷川社長はM&Aだけでなく、後継者育成にも失敗した」と、日本経団連の副会長経験者は揶揄する。異例の社長交代劇からわずか1月後、武田は大型糖尿病薬の開発中止に追い込まれ、株価が急落した。外国人社長の抜擢は停滞する社内のショック療法との見方もあるが、武田に垂れ込める暗雲を払 ………
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