2014年4月号 DEEP [ディープ・インサイド]
新たな万能細胞「STAP細胞」。一時は本家iPS細胞に取って代わる勢いを見せたものの、捏造疑惑が浮上し絶体絶命の危機に陥った。iPS細胞の開発者、山中伸弥京都大教授はひそかに胸をなで下ろしているようだ。かつて資金集めに苦労した山中教授の研究所は、いま年数十億円を手にしている。教授が2012年にノーベル賞を受賞した際、人気にあやかろうとした政府が、10年間で1千億円規模の巨額のカネをiPS細胞研究に投じると決めたためだ。受精卵から作るES細胞など、再生医療に使えるほかの技術にほとんどカネを出さず、ごく一部の病気の治療を除けば実用化できるか未知数のiPS細胞を偏重する政府のやり方は、世界の中では異例。だが、是非を議論できない空気が研究者の世界を支配しており、山中教授もそれを積極的に正そうとはしなかった。そんな姿勢に対し、幹細胞の代表的な研究者だった西川伸一氏が2月、 ………
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