モサド終身刑スパイに釈放圧力

米国の中東政策が筒抜け。被害はスノーデン以上だが、獄中28年余で「年季明け」近し。

2014年4月号 GLOBAL

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米国ノースカロライナ州バトナーの刑務所で毎朝、看守が終身刑の囚人棟09185016番の独房の鍵を開け、郵便物を渡している。彼ほど多くの郵便物を受け取る囚人はほかにいない。そのほとんどは、イスラエルや全米各地のユダヤ人団体から送られたものである。囚人名はジョナサン・ジェイ・ポラード。獄中28年余の彼の頭は禿げた額に長い髪と、白髪交じりの髭に覆われ、囚人服こそ着ているが聖書の預言者を思わせる。独房にはユダヤ教の宗教書や安息日に着る祈祷用ショール(タッリート)があり、まるでラビ(ユダヤ教指導者)の部屋のようだ。米国生まれのユダヤ人ポラードは1984年11月、メリーランド州スートランドにある海軍の極秘施設「対テロセンター」の主席分析官だったが、実はイスラエルの諜報機関モサドのもっとも有能なスパイだった。拘束されるまでの11カ月に米国の機密情報をごっそり盗み、110 ………

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