「EU加盟」のインセンティブ必要

欧州はウクライナを見捨てるな。「クリミア」で抗せずとも、中長期的に改革を促せ。

2014年4月号 GLOBAL [緊急特集 ウクライナ危機]

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「ウクライナはまだ滅びない」――その国歌は強く、誇り高く、危機を見通したかのような歌詞で始まる。ロシアの手によって事実上、国家分断の瀬戸際にある4500万人のウクライナの人々の心に響くのも道理だ。今、ロシアが進めているクリミアの実効支配を覆そうとしても、西側諸国にできることは少ない。だが、たとえ現実が逆方向を向いていようと、西側はこの若い国が原理・原則に則って自国の領土と自らの将来を決める権利を守ろうとしているのを支援しなくてはならない。なにごとも常に中期的、長期的な視点があるはずだ。親欧米派勢力がビクトル・ヤヌコビッチ親ロシア政権を倒した「2月革命」がウクライナに安定と繁栄をもたらすのなら、西側諸国は手厚い支援の手を差し伸べるべきだ。米国や国際通貨基金(IMF)は疑いなく重要な役割を果たすだろうが、支援の一義的な責任は間違いなく欧州連合(EU)に ………

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