オバマ中東政策は「空中分解」寸前

シリア、アフガン、イランで米ロ協力がストップ。プーチンの攻勢に耐えられるか。

2014年5月号 GLOBAL

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3月18日、ロシアがウクライナ南部クリミアの併合を決定すると、ベルリンの壁崩壊以来の「ポスト冷戦」の構造が根底から揺らいだ。米欧日はそれぞれ独自の対ロ制裁を発動し、同24日にはオランダのハーグで開かれた先進主要7カ国(G7)首脳会議で、G8の枠組みからのロシア除外が決まった。今後さらにウクライナの領土的一体性が損なわれ、ロシアが領土を拡張する行動に出れば、西側諸国のさらなる経済制裁の強化で、世界経済に深刻な負のインパクトを与えることが懸念される。その衝撃は世界のさまざまな地域に波及し始めており、国際安全保障情勢に深刻な影響を与える可能性がある。その筆頭が中東だろう。一段と複雑さを増してきた。

化学兵器廃棄は後退

4月1日、ブリュッセルで記者会見した北大西洋条約機構(NATO)のアナス・フォー・ラスムセン事務総長は、NATOが「ロシアとのあらゆる実務的及び軍事的な協力を取りや ………

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