2014年5月号 BUSINESS
債務超過に陥った茨城県の県紙「茨城新聞」が、ユニークな方法で再建に挑んでいる。コスト削減のため印刷工場も、新聞制作システムも、自社社屋も持たず、ひたすら新聞作りに励むという新聞界でもおそらく初めての取り組みだ。この究極のアウトソーシングが、経営が苦しい地方紙の生き残りのモデルケースになるのかどうか、熱い注目を浴びている。茨城新聞は県都・水戸市に本社を置く日刊紙。1891(明治24)年創刊で、県の北部・中部を中心に朝刊約12万3千部を発行している。関東という全国紙が圧倒的に強い地域の中で、苦戦を強いられてきた。同じような環境にある千葉日報や埼玉新聞、さらに神奈川新聞と同様、県紙としては小ぶりな規模だ。県内で最大の部数を誇る読売新聞から受託印刷を打診され、地方紙としては巨額の投資をして、1998年に印刷工場を建設したのが躓きのきっかけだった。このため相 ………
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