「特別な友情」関係のドイツ前首相は、ウクライナ危機でもロシアを弁護、批判浴びる。
2014年6月号 GLOBAL
4月28日夕刻。サンクトペテルブルクのユスポフ宮殿の前で、2人の男が抱き合った。ドイツのゲアハルト・シュレーダー前首相と、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領である。シュレーダーはプーチンに頬を寄せ、満面に笑みをたたえて喜びを表した。シュレーダーが4月に70歳になったことを祝うパーティーに、現職の大統領が駆けつけたのだ。ウクライナ危機への対応に忙殺されるプーチンは、なぜモスクワから約600キロも離れたサンクトペテルブルクへ飛び、シュレーダーの誕生の宴に参加したのか。背景を知るには、9年前までさかのぼる必要がある。2005年に首相を辞任したシュレーダーは、ロシアの国営企業ガスプロムの社長から、「独ロを結ぶ天然ガスパイプライン『ノルトストリーム』の運営会社の株主委員長になってほしい」という依頼を受けた。ガスプロムは、スイスの租税回避地ツークに本社があるノ ………
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