ルイスの新著で目からウロコ、ミリ秒以下で先回りする「常勝」のカラクリ。市場はいよいよ弱肉強食になった。
2014年6月号 COVER STORY [『フラッシュ・ボーイズ』が暴露]
生き馬の目を抜くウォール街、などという言い回しが牧歌的に感じられる。千の風ならぬ千分の1秒(ミリ秒)、いや百万分の1秒(マイクロ秒)のうちに株式を売買する「超高速(高頻度)取引」――いわゆるHFT(High Frequency Trade)が、世界のマーケットを席巻しつつある。究極の効率的市場か、それとも不正の温床か。ともあれ、取り残されたデイトレーダーも機関投資家も日々、ババをつかまされる現実にようやく目覚めつつある。ブラッド・勝山。トロント出身の日系カナダ人で、第2次大戦中に両親が日系人収容所に入れられた経験を持つ彼が、HFTとウォール街という巨人ゴリアテを相手に、徒手空拳で戦いを挑む若きダビデのようなヒーローとなっている。3月末に発売されたノンフィクション本『フラッシュ・ボーイズ』でクローズアップされたからだ。
作者はマイケル・ルイス。名門プリンストン大学を出 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。