「ヒトの開国」宣言は危ない橋

首相の決意表明は、経済界にせかされ成長戦略の目玉にしようと飛びついたのが真相。「机上の空論」との酷評も。

2014年6月号 BUSINESS [経済界の尻馬に乗る]

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経済政策アベノミクスの一環として、安倍晋三首相が「ヒトの開国」を宣言した。建設、介護分野などの人手不足を補うため、外国人労働者の受け入れに慎重だった政府方針を大転換し、単純労働者を含めて受け入れを積極的に推進する構えだ。問題は、首相の意気込みに対し、政府内外で反対論が渦巻いていることである。経済界の思惑に振り回されるだけだと、開国宣言は看板倒れに終わりかねない。首相が高らかに号令を発したのは、4月4日、経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議だった。「優秀な人材の受け入れや、留学生などの外国人材の積極的な活用に取り組む必要がある。女性の活躍推進や中長期的な経済成長の観点から、十分な管理体制の下でのさらなる外国人材の活用の仕組みの検討を進めてもらいたい」――。合同会議には、麻生太郎副総理・財務相、甘利明経済財政相、菅義偉官房長官ら主要閣僚に ………

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