不動産の仕事師たちが蠢き始めた。第一弾は――。
2014年7月号 DEEP [短期集中連載(上)土地の金狼群像]
不動産業界には、誰もがその存在を知る著名物件がある。規模や価値や場所ではない。 JR新宿駅南口の真珠宮ビル、六本木TSKビル、西麻布迎賓館、南青山3丁目物件、川崎の東田地区、京都駅前の材木町案件、鹿児島の馬毛島……。 いずれも、ひと筋縄ではいかない。名うてのプロが、物件をまとめ、商品に仕上げようと、何度もチャレンジしたが、複雑な権利関係に音を上げ、撤退するか放置してきた。 そんなリスキーな案件に、好んで手を挙げる不動産ブローカーがいる。会社は何社も持つが、基本的にひとりで動く。しかも、登記簿謄本には個人名を載せ、同業者を怯ませる。 小野塚清――。 人呼んで「登記の魔術師」。この名が謄本に記されると、確実に価値が下がるという。 「登記に関する知識が驚くほど豊富。競売で落とそうとする業者がいると、その知識を生かして、あの手この手で妨害する。それもしつ ………
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