孫正義敗れたり「3社寡占モデル」

日本の通信競争政策の隙をついた「成功体験」が米国で通じず。拡大一途頓挫で窮地か。

2014年9月号 BUSINESS

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孫正義の成長シナリオが日米同時進行で狂い始めた。昨年の米携帯電話業界3位のスプリント・ネクステル買収に続き、業界4位のTモバイルの買収を進めていたが、連邦通信委員会(FCC)の承認を得られる見通しが立たず断念。全米3位と4位を統合することで、ベライゾンとAT&Tの2強状態を打ち破る野望に狂いが生じたのだ。8月8日、孫は4~6月のソフトバンク四半期決算説明会に臨み、買収断念には「ノーコメント」としながらも、「米国市場の健全な競争には二強状態よりは三つ巴のほうがいい。この考えは変わっていない」と述べた。孫らしい負け惜しみだが、ある意味で本音だろう。日本の携帯電話料金は以前は「世界一高いケータイ」などと揶揄され、超過利潤を得ていたことは事実。孫は日本をキャッシュカウ(カネを生む乳牛)にしてスプリントを買収、米国に乗り込んだが、設備投資を怠ってきたスプリントは ………

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