命のバトンを受け渡す「看取り士」

「人生の99%が不幸だとしても、最期の1%が幸せならば……」と、日本看取り士会が初の全国大会。

2014年9月号 LIFE

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かつて「看取り」は日本の文化だった。多くの日本人が、人生の最期を慣れ親しんだ自宅で過ごし、家族や友人、近所の人に見守られて生を終えた。だが戦後、わずか半世紀余りで看取り文化は急速に廃れた。村社会の崩壊と核家族化の進行により、看取りに欠かせない「介護力」が地域と家庭から失われた。また国民皆保険制度と医療水準の向上を背景に、病院で死を迎えることが一般化した。自宅で死ぬ人がほとんどいなくなったことで、死は日常生活から切り離され、忌み嫌われるようになった。「死を恐れるのは高齢者の見守りを業とする特別養護老人ホームも同じ。特養は夜間の泊まり勤務が多く、死にかけている人がいると同僚介護士から『泊まりを交代してほしい』と頼まれることが多い。自分1人のときに人が死ぬのが怖いのです。若い介護士だけではなくベテランからも頼まれます」(特養職員)現在、病院へ ………

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