産業競争力強化法の刀を抜き、元売り各社に合理化計画作成を命ずる構え。行き過ぎた官主導に戸惑う石油連盟。
2014年9月号 BUSINESS
ガソリンの需要減退で過剰供給体制が続く石油元売り会社に対し、経済産業省が製油所の削減圧力を強めている。表向きの理由は製油所の過剰対策だが、経産省が狙う本丸は、石油業界の大再編と言える。業界に警戒感もくすぶる中、「官製再編」のお手並みが問われよう。経産省の「伝家の宝刀」が、政府の成長戦略の一環として今年1月に施行された産業競争力強化法である。対象業界の実態を調査し、合理化計画作成といった改革を促す法的な強制力を持つ一方、事業再編に踏み切る企業を税優遇などの政策減税で支援する。アメと鞭を兼ね備えているのが売り物だ。だが、法律の施行から約半年、適用案件はまだ、三菱重工業と日立製作所の火力発電システム事業の統合などにとどまる。「全く期待外れ。もっと実績を示すべきだ」とせっつく声が財務省などから出ている背景には、法人税率の大幅引き下げを要求するば ………
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