対イラク・シリア政策は米国の対外戦略上の歴史的失敗だが、対中国・ロシア外交では健闘し、立ち直りつつある。
2014年10月号 GLOBAL [「Gゼロ」未然世界]
バラク・オバマ米大統領の外交政策は最近、国内ばかりか世界でも十字砲火を浴びている。オバマひとりがすべて悪いと誰も指弾するわけではないが、シリアやイラクに始まりロシア、ウクライナ、東アジアや南アジアまで――世界の混乱を事実上招いたのは米国の現政権の政策ミスにある、と難じる声は募るばかりだ。大統領自身が2011年にリビアのカダフィ政権を転覆させた後の米国の政策は「失望に終わった」と認め、ヒラリー・クリントン前国務長官が8月にオバマの外交政策を批判したことも騒ぎを助長した。ヒラリーは2年前、シリアの反体制派への武器の供与を主張したが、オバマに反対されたことを明らかにし、米国が何をめざそうとしているのかが明らかでない、と暗に戦略の欠如を批判した。オバマ外交の標語として有名かつ悪名高い「バカなまね(軍事介入)はするな」は大国の外交の基本原則としては不適切 ………
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