創業20年のアマゾンは単なるネット通販から、仮想と現実の二大陸を支配する巨大なプラットホーム資本主義に化け、その「千手観音」が衣の下の鎧を見せた。
2014年10月号 LABYRINTH [プラットホーム資本主義]
メディアの「内ゲバ」が複雑骨折を起こしている。8月28日、慰安婦問題で矢面に立つ朝日新聞朝刊は、週刊文春の広告掲載を拒否する一方で、第1面に「アマゾン、出版社を『格付け』」という記事を載せた。アマゾン・ドットコムが電子書籍の契約で有利な条件を呑むか呑まないかによって出版社を選別する仕組みを提示したため、大手出版社が反発。6月に文藝春秋が「優越的地位の乱用」と抗議したという。では、週刊文春の広告掲載拒否は新聞の「優越的地位の乱用」とは言わないのだろうか。雑誌や書籍の広告では、広告媒体の批判は許されないのか。新聞vs週刊誌の紙メディア同士の対立は所詮「コップの中の嵐」と割り切れるが、ネットvs紙の業態間の対立はファストフード対スローフードにも似て、「池の中のクジラ」アマゾンが暴れ始めると、資本力でも顧客層の厚さでも旧勢力は勝負にならない。英エコノミ ………
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