「蛇頭」の地の無法の漁民が、「反腐敗」で苦し紛れに、小笠原へ一攫千金の遠征に来た。
2014年12月号 POLITICS
海上保安庁の歴史に残る汚点に違いない。小笠原諸島(東京都)周辺の領海に押し寄せた中国サンゴ密漁船団の“不法占拠”を易々と許してしまったからだ。ボニンブルーの美しい海に異常な規模の大船団が出没した背景には、高級宝飾品の赤サンゴ・バブルに乗じた一攫千金の目的以外に、中国国内での権力闘争を絡めた謀略説も浮上しているが、真相は定かではない。「やり繰りして今は対応しているが、非常に無理があるのは事実だ」。11月5日の記者会見で、中国漁船によるサンゴ密漁問題への対応を問われた菅義偉官房長官は、圧倒的な中国船団を前に「万策が尽きた」と言わんばかりだった。9月中旬から増加した中国漁船は10月30日には212隻にまで膨れあがった。摘発に追われる海保の関係者は「高級な赤サンゴの密漁で得られる法外な利益に比べて、遙かに安い罰金を払えば即日釈放されるため、一向に退去する ………
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