2015年2月号 連載 [監査役 最後の一線 第46回]
安倍晋三内閣は昨年来掲げている農協改革の具体策として、今通常国会に農協法改正案を提出する構えだ。焦点は全国農業協同組合中央会(JA全中)の扱い。現在、農協法で定めている地域の農協に対する全中の指導・監査権を廃止し、全中の組織自体も一般社団法人や任意団体などにする方針だ。実質的な「解体」方針に、全中関係者は強く抵抗しているが、アベノミクスの改革姿勢を示す象徴的な存在になっているだけに、安倍官邸は一歩も引かない姿勢を見せている。全中が必死に存続を求めているのは農協法に裏付けられた「監査権」だ。「監査」を通じて地域の農協の経営内容などをすべて把握できる仕組みになっており、それをベースに経営指導を行う権限を持っているため、地域の農協が全中の下部組織のような位置づけになっている元凶だという批判が根強い。地域の農協から自立心を奪っているというわけだ。 ………
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