人質2人斬首の凄惨さは、無力と無能を日本に思い知らせた。動転せず、対抗する「リアル・ポリティーク」を。
2015年3月号 GLOBAL [イスラム国「威嚇」の分析]
日本は1月末、かつてない類いの外交の悪夢に襲われた。会社経営者、湯川遥菜氏とフリージャーナリスト、後藤健二氏の日本人2人が、ジハード(聖戦)主義のスーパーパワー、「イスラム国」(筆者は正式の国家と認めず、略称のISIS=「イラクとシャームのイスラム国」で呼ぶ)の人質となり、斬首という悲劇的な結末を迎えた。これは一回限りの超現実的で理解し難い人質事件にすぎなかったのか。それとも、テロを外交の手段とし、日本や欧米諸国を危機に追い込もうとするイスラム国の挑戦であり、今後も同様の事件が起こるのか。ヨルダン人戦闘機パイロット、モアズ・カサスベ中尉の残虐な殺戮方法をはじめとして、後者の解釈を裏付ける十分な証拠がある。ジハード・テロの犯罪手法modus operandiは2012年以降変化している。14年6月、イスラムの最高権威者「カリフ」を長とするカリフ制国家の樹立宣言だ ………
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