新旧産業の付加価値を210兆円も拡大する大風呂敷。バラ色の夢より賃上げが先ではないか。
2015年3月号 BUSINESS
安倍晋三首相との蜜月関係が自慢の榊原定征経団連会長(東レ会長)が新年早々、日本経済再生に向けた「榊原ビジョン」を発表した。3年目に入ったアベノミクスを後押しする狙いだが、焦点は、成長戦略の牽引役となるべき民間企業の活性化である。「ビジョンは大風呂敷」と揶揄されないよう、榊原会長の舵取りが問われている。ビジョンのタイトルは、『「豊かで活力ある日本」の再生―Innovation&Globalization―』。榊原氏のサインが付いた序文では、「2030年を展望し、望ましい国の形とは何か、また、それを実現するため、われわれはどのように行動し、何を成し遂げなければならないかについて、可能な限り具体的に示した。未来を切り拓くキーワードは、イノベーションとグローバリゼーションです」と宣言した。2014年6月に経団連会長に就任後、約半年かけて練り上げた力作である。経団連のビジョ ………
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