2015年4月号 GLOBAL [グローバル・インサイド]
環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の行方は、米国の連邦議会の論議が影響する。オバマ大統領に強力な貿易促進権限(trade promotion authority=TPA)を与えるか否かが焦点になる。関連法案が通らなければ交渉は滞るだろう。議会を説得するため、オバマ政権は「中国の脅威論」を持ち出した。曰く「TPPをまとめなければ、中国にアジア市場を荒らされる」。あからさまな「チャイナカード」が奏功するか、見ものである。大統領は1月下旬の一般教書演説で「中国がアジアの通商ルールを形成しようとしている」と強調。これを阻止するにはTPA法案を通し、米国主導でTPPを妥結に持ち込む必要があると訴えた。その後も演説などで「中国の21世紀型のルール策定」への警戒感を煽っている。外交筋は「今の中国に通商ルール作りは不可能。黄禍論の類だ」と冷笑する。とはいえ、かかる「中国脅威論」は、日本のみなら ………
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