郵貯・簡保270兆円マネーが「政府丸抱えの上場」という矛盾。小泉郵政改革の設計者が徹底批判する。
2015年5月号 BUSINESS [270兆円マネーの矛盾]
今年9月に日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の3社が同時上場する予定の日本郵政グループは、4月1日に西室泰三社長が会見し、2015~17年度中期経営計画(中計)を発表した。「高度なリスク管理と運用体制を確保する」ことで17年度連結純利益を4500億円程度とするえらく強気の目標を掲げたのだ。小泉政権の竹中平蔵・郵政改革担当相のもとで民営化を設計するチームに参画した筆者から見れば、当初の設計とは似ても似つかないものとなった。09年に民主党への政権交代が起きた結果、民営化スキーム自体が大きく方向転換しており、今回の上場と経営計画もその延長線上にあるため、重大な矛盾を孕んでいるのだ。小泉純一郎元首相が推進した郵政民営化のキモは、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の金融2社の完全民営化によって民有・民営を行うことだった。ところが、民主党政権下で連立与党となった国民新党が、民 ………
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