連休中の訪米は今年最大の勝負どころ。「安倍路線継続」の分かれ目は、米国の理解と支持にかかっている。
2015年5月号 POLITICS [空洞化する「日米同盟」]
安倍晋三首相が慰安婦を「人身売買の犠牲者」と表現したことがニュースになった。日本の多くの新聞はベタ記事扱いの一見小さな出来事だが、事の顚末は、来週からの首相訪米(4月26日~5月3日)、いや現在の日米外交を見る上で示唆に富む。3月26日、安倍氏は首相官邸で、約1時間にわたって米ワシントン・ポスト紙のインタビューに応じ、第二次大戦当時の日本軍慰安婦について「人身売買の犠牲となり、筆舌に尽くしがたい痛みと苦しみを経験されたことを思うと心が痛む。女性の人権が侵害された。21世紀を人権侵害のない最初の世紀とすることを願っている」と述べた。 記事には、首相が慰安婦問題で「人身売買(human trafficking)」という表現を公に使ったのはこれが初めてだと、首相側近が発言の意義を説明した、という思わせぶりな記述がある。ここがニュースだと同紙が判断したのではなく、首相側 ………
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